盲点に気づくって、ちょっとこわいけど大事なこと 。心理の授業で感じた“関わり合いのチカラ”

小学校での心理授業後、
じわぁ〜と感じたことがありました。

それは「盲点に気づくって物凄〜く大事だな」ってこと。

授業をしていわゆる「やりにくさ」や「後味の悪さが残った」など
手強さを感じたクラスがあったのですが、それ以上に
気づいていない自分が、1番、手強いやんっておもいました。

授業や仕事に限らず
自分では「いい感じにやれてる」と思うことでも、
他や外からみると、「ちょっとズレてるかも」ってことありますよねー!

盲点。

で、これに気づくには自分以外の人からの
フィードバック(思いやりと勇気)が必要になる。

なので今回、授業後1番先にやったのは
見ていただいた管理職の先生方に、
「フィードバックください!」
ってお願いしたことでした。

これホンマ、ドキドキしました。

でも、先生方すごくあたたかくて
「ここ、子どもたちが喜んでましたよ」とか
「構成めちゃわかりやすかった」とか、
よかった点をいくつも言ってくださり、
一方で、板書の仕方や教材の作り方、見せ方、時間の使い方
子どもへの言葉の選び方で気づいた点を沢山
具体的にフィードバックくださり、
ただでさえお忙しいのに親身になって伝えてくださいました。

そして、そのおかげで私の中から閃きが降りてきたんです!

2学期の授業は最初から先生達と作っていこう!って。

もちろん、心理学の内容や構成は自分が考えますが
実際に授業するにあたり
もっともっと事前に教え方のプロの先生のお力を借りよう!
頼れるところは頼ろう!
だって1番近くにいらっしゃるのは先生だから。

そう思い何人かの先生にお願いすると
「ぜひ!」とか「自分でわかることがあれば」と
快く言ってくださり、、、もう頼もしすぎるー。

フィードバックお願いしたことからまさかの展開!

そして落ちこんだことや
本当はこうしたかった、など
自己開示も正直にお伝えし
「ならば次回は〇〇していきましょう」
などと提案もいただきました。

今回6年生に伝えた
ジョハリの窓という心理学の理論。

実は私自身の実践を
確認する時間にもなったんだな、、

人の心の窓には「盲点の窓」があって、
それは自分で気づいていない部分だけど
他者からは見えている部分だよって
子どもたちに伝え考えてもらったところ。

、、、それってまさに
今回のわたしやった(笑)

誰かに教える前に自分やってみた?ってとこ、
ホンマに大事やと心から思いました。

そしてあらためて。
心理の授業に限らず
ただ知識を伝えるのではなく、
一緒に気づく。築いていく。
1番の学びじゃないかと思う今です。

またそれは色んな関係性で育まれていくもの。
子どもと大人。子どもて子ども。大人と大人。

関わり合いの中で気づき合える授業を
目指したいと思います。

◆待てるようになりたい先生

キンダーカウンセラーの仕事に行ったときのことです。

今年で2年目の先生。
昨年は会うたびに疲れて表情は暗く、
辞めないかな?とハラハラしていましたが
今年はよく笑い別人のように明るいです。
外面って内側の写し鏡ですねー。

一年やりきった自信と、今年は見通しがつく分
気持ちにゆとりが出たんじゃないかと思います。

とはいえ悩みがないわけでなく気がかりや困りごとを聴いたり
一緒に考えたり提案させてもらうのは今年も変わらず。

そんな先生がこんな一言をおっしゃいました。

「今、出来るようになりたいことは「待つ」ことなんです!」

わぁー!

「子どもに注意したり指摘したり、先に伝えたりしがちだけど、
もうちょっと待てるようになりたいんですよね〜」

素敵。

そういえば去年一年、周りのベテラン先生や園長先生は
新人の先生の成長を「待つ」を軸に接しておられました。

自ら「待つ」ことが課題だと気づいた二年目の先生。
春になったら3年目。
来年も続けまーす!と声が弾んでいました。

◆心配ごとのほとんどは、その通りにはならない

「なんだか懐かしい感じがします」

数年ぶりにカウンセリングに
お越しになられた方がおっしゃいました。

前回の困りごとや悩みと、今回のものは違います。
ですが、どちらもご本人にとっては心の重荷には変わりません。
怒りに、かなしみ、不安や葛藤、心配など。

お話しを伺いながら一緒に整理し、心に耳を澄ませ、
ご本人がおっしゃった言葉を使い、お返ししました。

「あんなに悩んでおられた前回の心配ごとは起こらなかったんですね」

そう言うと、ハッとされたように
「そうですね」とおっしゃいました。

悩むこと。
未来に対してよくない想像をしまうこと。
それらは悪いものだとは思いません。

人は悩むからこそ、その度に心と頭を使い、
それを解いていくことで学び、心がしなやかに、たくましく
変化していけると思うからです。

ただ渦中にある時はなかなか俯瞰しづらいのも人の性(さが)
わたしだって、そうー。
だからこそ悩んだ時は、

▪️今、出来ることを選択し、集中する
▪️優先順位を立てる
▪️理想の未来を想像する(やり方を考えない)

そして思いだすんです。
心配ごとのほとんどは起こらなかったことを。

未来からみれば今の悩みは、変化している。
だからだいじょうぶ。どんどん良くなってく。

ちなみにわたし。
会った人が今どんな状態でも
良くなる未来を想像します!

◆「困った」が起きる前に出来ること

スクールカウンセラーをしていると、

「子どもが学校に行けなくなった」
「友だちとのトラブルが続いている」
「イライラしたり怒りっぽい、、」
「クラス運営がしんどい」

色んな「困った」に出逢います。

そんな時に行うのは問題解決的カウンセリング。
もちろんそれはとても大切、必要な支援です。

今、しんどい渦中にいる子ども、保護者、先生、
それぞれの山や谷を共に歩み超えていく。
時に涙し、感情を分ちあいながら
共に歩む時間はとても尊いです。

でも、、、、ずっと思っていました。
その前に出来ることがあるんじゃないかな、、って。

例えば、
「自分の気持ちってなんだろう?」
「モヤモヤする、どうしたらいい?」
「人とうまくいかない時、何が起きてる?どうしたい?」

こういった時に、困っていない今のうちに、
子どもや大人自身が考える時間があったなら。
心の使い方を知り、ちょっと練習する機会があったなら。

きっともっとラクに過ごせる子どもや
大人が増えるんじゃないかと思うのです。

これが予防的カウンセリングの視点。

問題が起こる前に、心を育てていく
という取り組みです。

そして今年そんな想いをカタチにすべく
とある小学校で「心理の授業」を
させていただくことになりました!

単発ではなく年間通して。
担当学年に応じて少しずつ、でも着実に。
さーて。どうなるでしょ。

内容も、教材づくりも、伝え方も
ただいま絶賛、試行錯誤中ー‼︎

ゴールデンウィーク開けの
デビュー本番に向けて
毎日頭から火をふいてます。

実はこちら
スクールカウンセリングに限らず
普段の個人カウンセリングでも思ってきたこと。

いや、カウンセリングの勉強を始めた
17年前にはすでに芽生えていた想い。
少しずつ膨らみ、ここまできた今。
ようやく実行です。

問題解決も、予防もどちらも大事。
そして心理の授業では予防だけでなく、
人には自己実現という
素晴らしい心の力があること。

それを発揮するもしないも自分次第であり、
本来はそれを活かすための
学びであることを伝えていきたい。

私の内にある子ども心と、大人心、
過去から未来を繋ぐ、今にて総動員!

あらたな学びのはじまりです。

【心のケア】誰にでもできること、だけど誰にでもできないこと

私がスクールカウンセラーとして勤務している学校に
とても可愛らしく若々しい庶務(用務員)の先生がいらっしゃいます。

その先生は会うだけでパッと明るくなるような雰囲気で
いつもにこやかに挨拶してくださいます。

先生のお仕事は、学校中のお掃除やゴミ出し
広いグランドの草抜きや、花壇にお花を植えたり
教職員のためにお茶を沸かして下さったり
その他たくさん。

まだまだ私が、皆が知らないお仕事を
黙々としてくださっています。

そんな先生と少しお話しする機会があった際、
私は先生の美しさの出処に気づくことができました。

それはトイレ掃除に対しての想いについてです。

先生は仕事の中でも特に
トイレ掃除に力をいれておられるとのこと。

子どもたちが、クサイからと足が遠のいたり、
我慢することがないように。

だからトイレ掃除はがんばりたいんです!
とおっしゃっていました。

また、「私の仕事は誰にでも出来る仕事です」と
おっしゃっていましたが、ちがうよ、ちがう!

誰にでもできるからこそ、どんな想いでするかで
仕事の意味や価値に違いがでるんじゃないかと思うのです。

心理学の概念に
「仕事の意味づけ(job clafting)」というものがあり
同じ仕事でも、自分にとってどんな仕事か
意味を見出すことで、仕事の姿勢や幸福度が
変わるというものがあります。

先生は仕事に「思いやり」と「誇り」を
込められてきたんじゃないかな。

だからこそ先生のトイレ掃除はただの掃除ではなく、
場を清め、子どもたちの居場所を整える、
かけがえない「ケア」のお仕事に繋がってるんだと思います。

こちらの学校では昨年度子どもたちが掃除をする際
「トイレの神様」がBGMで流れていました。

トイレの神様、女神様は身近にいた。
私もトイレ綺麗にしよう。
べっぴんさんになれるかな、、、、