◆感情移入して失敗したこと

人の気持ちを感じたり考えれる人って素敵です。
これまで自分はそんな方々に随分救われてきました。

一方で人一倍、他者の思いを組みとれる人は
その人自身が辛くなったり
エネルギーを奪われてしまうこともあると思います。

本来ならば相手と自分は違う個体のはずなのに、
気や心は見えないだけに境界が曖昧になりやすいですね。

また境界の曖昧さから自分だけでなく
人を傷つけてしまうこともあります。

昔、カウンセラーの勉強を初めた頃
この境界を引くことが課題であり、
なかなかに難しく、日々訓練でした。

その訓練とは、自分と相手の境界線を分け、
相手の気分にひっぱられない。
感情を想像しても、感情移入はしない。
いやはや、むっずー!!!

こうやって文字に起こすと難しいですね。

そんな自分が今は心理師になり
日々、入れ替わり立ち替わり
人様の人生物語や感情を伺っているわけですが、、

勉強を初めた当時も、今も
意識してやっていることはあまり変わっていません。

それは自分をよく観察すること
いわゆるセルフモニタリングです。

今の出来事で自分は何を感じた?
何を考えた?体の感覚は?

まず人ではなく自分に目をむける。
例え意識が自分以外に向いても、
その度に自分に戻して自己を観る。

これを普段から何度も繰り返すことで、自分は自分。
人は人と、境界がより濃くわかるようになっていきます。

コツは普段から意識すること。(なんでもない時も)
そして回数でしょうか。

プロだから出来るというより意識と繰り返しで
誰でも出来ると私は思います。

話しは、変わりますが去年プライベートで、知り合いから、
お子さんが10数年重度のアトピーで食べ物制限をしてきたことを聞きました。

それはもう壮絶で一時は心が病み、引きこもりになり
家族もまた10数年同じ食生活に
出来る限り合わせてきたことを知りました。

その時、私は込み上げる感情と共に
「かわいそう」と口にしてしまいました。

すると知り合いは
「かわいそうと言われることが子どもは1番辛かったです」
とおっしゃいました。
はっ!!!やってしまった。

想像して感情移入して、自分に起きているようにどこかですり替え、
更に「かわいそう」と言うって、どれだけ自分は上から目線なんやろ?

それに気づいたとたん
とても恥ずかしく申し訳なくなりました。

相手の立場や気持ちを想像し
相手を理解しようとすることは
大切にしていきたいことです。

ですが、必要以上に感情移入し苦しくなるのは
どこか無意識に相手の人生や
その人を尊重していないことにもなりかねません。

その後知り合いにあやまると、
「いえいえ。おかげで私たち親子はこれまでの経験で
心臓に毛が生えるくらい強くなれたんですよー‼️」
と笑顔で返してくださいました。

普段、心理カウンセリングしている自分がやっちゃった
猛省案件です。

でも人は完全ではないし、完璧にはなれない。
だからこそトライandエラーを繰り返し
私も引き続き意識、練習しつづけようと思う今ここです。