◆認知症の根本治療薬

2021年6月7日、認知症の根本治療薬が
アメリカで承認されたとネットニュースでみました。
身近にアルツハイマー型認知症の患者がいます。

会うと何度も昔の話をされます。
同じ話を何百回聞いたでしょうか。

カウンセリングと違い近しい相手なので、
最初の頃は相手の若い頃が浮かび
寂しくて、切なくて現実を受け止めづらく戸惑いました。

これまでは認知症の根本治療はなく
進行していく病状を遅らせることが主な治療法でした。

そのためには周りの理解と環境調整、
そして何より受容的なコミュニケーションが必要になります。

同じ話を繰り返し聞くようになって3年
最初は聞くのが辛く
1人になった時に涙する時がたびたびありました。

ですが最近は繰り返し聞いた話しでも
違和感なく聴けるようになりました。

理由は慣れたからでもなく
時間を区切るからでもなく
割り切ったからでもなく
「意味」を見いだせたからです。

それは同じ話であったとしても
相手にとっては毎回が「今、話したいこと」であること

そしてそれを聴く自分にとっても
「今、聴いていること」であり
過去に聞いたかどうかはもうどうでもいいやって。

話しをする自体が互いに存在している証だと
思うようになったからです。

なので知ってる話しであろうがなかろうが
「今の時間」を共有するだけでいい

共感するとか理解とか相手の人生がうんぬんとか
それさえ重きでなく
ただそこに一緒にいるを味わおう、味わえたら
それでいいや

そんな「聴く」を教わりました。

大切な人、身近な人の変化や老いは寂しいものです。

ですが、それは愛おしく限られた時間があるからこそ
うまく言えないけれど聴くって、愛だと思います。

薬や新しい根本治療治療の未来に期待しつつ
「聴く」はこれからも根本

今、聴き続けられることが有り難いです。