私が保育士をしていた時の教え子が、14才で亡くなった時
お通夜やお葬式の場でお母様は涙を流されず
たんたんとされていました。
予期せぬ医療事故だったので
ご両親は相当な驚きとショック
痛みを抱えられていたはずでしたが、
号泣している弔問人たちの中で
逆に違和感が際立つ
普段とかわらない様子でした。
当時はそれが何故なのかわかりませんでしたが
今ならわかります。
痛みに耐えられないくらいのかなしみに遭遇すると
無感情になる、切り離す
または逆に平気でいる(チグハグ)
そして、更に深刻になると記憶を無くしてしまうなど
心がそれを一時的に押さえ込むための
麻酔が働いていたんですね。
哀しみや痛みを癒すセラピーのひとつを
「グリーフケア」といいます。
癒しには段階があって
ショック期 → 喪失期 → 閉じこもり期 → 再生期へと進み
人によっては期を行ったりきたりし、
また現実として受容していく時間も
身体症状の出方も様々です。
こういう時周りはどう言葉がけをしていいか
何をしていいか戸惑いますが
まず見た目や表面で判断したり評価しないことが
1番だと私は思います。
何も言えない、何もできないと思うかもしれませんが
ただただ思いを寄せ続けたり
時折気にかけて添うことは
見えない支えになるひとつです。
また「別れ」に限らず病気や事故などにより
これまでの当たり前が当たり前でなくなった時にも
似たような段階をたどります。
例えチグハグにみえても
それは当人にとって必要な過程であること
伝わらなくても
相手の今を理解しようとすること
そして、側にいる人が
しんどくなってしまわないこと
とても大切だと思います。