◆受容が、症状を悪化させる場合もあります

カウンセリングは受容、共感が土台ですが
場合によってはそれにより
症状の悪化に繋がる時があります。

例えば、無意味だとわかっていても
繰り返す強迫観念や
強迫行動をしている方へ関わる場合。

繰り返し手を洗ったり
確認したり、考えたりなど

「つらかったね」と受容する対応が
「わかってくれた!」と一時的な安心にはなりますが
それを求めるために更に行為をくりかえし
不安を解消の確認行動がエスカレートすることになります。

これは強迫神経症だけに限りません。

そのままでいい
あるがままでいい
わかってくれる

という関わりが本人の苦痛を
より強化する場合があり
周りへの影響も二次、三次とひろがることもあります。

つらい、やめたい
苦痛だ、ラクになりたいと思いながら、
人に相談し安心を求めながらも
なかなかやめられないのは
それ自体が「やりたいこと」になっているからです。

誤解を恐れずに言うと個人的には
それを本人が選ぶなら
それも人生だと思っていますが、
私の技量や知識不足で
そこに加担するようなことはしたくありません。

自分にとって難しいと思える事例は
不足を認め見極め、専門家を紹介する、
または専門家に助けてもらいながら学びながら
カウンセリングをしていきたいと思っています。

もちろんこれまでどおり「今できることをする」
そして「心」や「人」への興味や好きという気持ちに
揺るぎはないんですが。

それ自体がやりたいことだからだね。

真の受容って奥深い‥

援助者であり、クライアントであること。
これも「援助者」に必要な姿勢のひとつだと思っています。