◆記憶、認知症、人生

人生は記憶でつくられている
と聞いたことがあります。

どこでだっけな?
テレビかな?
心理学の勉強だったかな?
本かな?

忘れてしまいましたが…。

気を取り直して
高齢化社会になり
70才以上が5人に1人という現代。

年金問題、介護、そして認知症は
社会問題になっています。

自分には、まだ時間あるし先だなと思っていましたが
他人ごとではないと思う今日のこの頃。

カウンセリングや、プライベートでも
向き合う案件の1つです。

例えば、脳の老化によっておこる認知症ですが
家族や身近な人が変化していく姿を目の当たりにし
受けとめるには相当の心的エネルギーを要します。

認知症と言っても種類は数種類あり
その中でも多いのが
アルツハイマー型認知症と言われます。

他には前頭側頭型認知症、
レビー小体型認知症、血管性認知症と
出方や行動も様々です。

家族が認知症になると、本人だけなく
周りの生活も自ずと変わってきます。

アルツハイマー型認知症では
初期の段階では遠い過去の記憶はハッキリしていますが
新たな体験が覚えられないという順行性健忘が特徴のひとつです。

要は記憶に関する「時」が
「今」でとまっていくということ。

周りにいる人は何度も過去の話を聞き、
そして繰り返し同じことを伝えることが少なくありません。

さっき言ったやん〜!
また?、、、は通じない。

なぜならそれが病気だからです。

「人生は記憶でつくられている」

それが真ならば記憶障害という病気になった人や
その家族や周りの人は
どう受け止めたらいいんだろうか。

最近、私はこんな風に
考えるようになりました。

新たなことを覚えられなくなるなら
身近にいる自分が
その人との「今」を記憶すればいい。

繰り返し昔の話をするならば
それはそのものがその人の生きた証であり人生だから
尊敬をもってよろこんで聴こう。

人は変化することが人生そのものだから

これは認知症に限りませんね。
自分もそう。

認知症の方が自身の変化に混乱し
抑うつや神経症を併発したり
また支える周りの人が
ストレスで共倒れになりかねない
事態も数多くあります。

ひとりで抱えないとはよく言われます

二次的被害予防のためにも
まず自分の心身の健康を優先的に考えることは
とても大切だと思います。

また公のサービス、行政の相談窓口の利用も
力になってくれます。

知らないことが
2次的被害や悪循環になることの
どれだけ多いことか。

心理職としても
現代社会における諸問題について
「知る」「理解する」「共に生きる」を
深めていきたいと思います。