◆依存する人、依存させない人

昔、ある1人の心理カウンセラーに憧れていました。

初めてカウンセリングを受けた時
無条件に受容し話を聴いて下さる時間に涙がでました。
心地よくて温かくて大好きになりました。

ところが、数回お逢いした後になんだか冷たいなと感じました。

なぜだろう?
私なにかしたかな?
今日は機嫌が悪いのかな?
そんなはずないよね?
心理カウンセラーだもんね?

色々思いあぐねましたが、その時はわかりませんでした。

今ならわかります。

もちろんカウンセラーとはいえ人間。
体調が優れない時や、心状態が色々な時が当然あるでしょう。

でも、それが理由ではない。

理由は、私が、相手に自分の心のお世話をしてもらおうと
回を重ねるごとになっていたから、です。

カウンセリング時間も超えて相談を持ちかけ
カウンセリングと同じ効果を無意識に期待し
相手に聞いて聞いて~となっていたからです。

私、こんなに大変なの。

私のこと、もっともっとわかってね。

そんな非言語を醸し出していました。
その心理カウンセラーは、そんな私の状態に一線引いて下さっていたのです。
それを冷たい、と感じていたのでした。

どちらの立場もよくわかります。

時によって、依存したくなる側も依存される側もあることを。
本人は依存していることには気づいていないんですよね。

良い方向へ向かう為には、まず依存してくる来談者さんではなく
心理カウンセラーが依存させない決意が必要になります。

また、心理カウンセリングのセッションの中ではある時期までは
依存的にみえる転移という状態もよくなる過程として必要だったりします。

だからといって、いつまでも転移では
なんのためのカウンセリングか意味がない。
むしろ逆効果ですね。

例え、冷たいと思われても
時と場合によっては一線をきっちり引く。

援助や手助けと言った心理カウンセリングは優しいだけではない。
真の受容とは相手も私も自分の心に責任をもてるようになる援助のことです。

今、どんなに辛くてもしんどくても
人間には、よくなっていこうとする底力が必ずありますから。