◆自分の身内を助けられない負い目と、柚茶

以前、身内が心の疲労から健康を害した時があり
自分がこの仕事をしているにもかかわらず
直接役に立てなかった時期がありました。

近しいからこそ難しい。

ならば、信頼できる知り合いの専門家や
具体的な方法を紹介しようと試みましたが
結果スルーでした。

当時はそんまま進行すると
更に心配な状態になるのが顕著で
自分は日々人様のカウンセリングをしているのに
身近かな裕の助けにはならないのか?と
どこか負い目を感じていました。

話は変わりますが、
カウンセリングに来られた方が心労から食欲がなくなり
拒食へ進行されていたことがあります。

ご家族が心配し、好きなものや食べれそうなものを
あれこれ工夫されていましたが
それでも口にするのがきつく
毎日数口だけ食事をとられていました。

食べないので血の巡りが悪くなり体が冷え
動くと疲れるのでジッとし
そうなると外界との接点が減り思考が偏り
余計に鬱々とした状態になる悪循環を加速させておられました。

そんな時たまたまお出ししした「柚茶」が
美味しいと気に入られたのです。
(カウンセリングではどの方にもお茶をお出ししています)

食欲がなく、美味しさもわからない
生理的欲求の一つが欠けバランスを崩している中
一筋の光になった柚茶。
それからはしばらく柚茶をお出ししていました。

ある日クライアントさんから
「これがどこに売っているのですか?」と聞かれたので
場所をお伝えし、我が家に残っていた柚茶をさしあげました。

とても気の使うクライアントさんで
最初は受け取りにくそうにされていましたが
まだ外出がままならないことを思うと
飲みたい!と思えるものに出逢えたチャンスを逃すのは
もったいないと思ったのです。

それでも「すみません」を繰り返されるクライアントさん。
思わず私は言っていました。

「私は身内以外の人に沢山助けてきてもらいました。
その人たちに直接返せないことがありますが
こうやって違う方にお返しできるのをうれしく思います。

〇〇さんが元気になられたら
また誰かに出来ることをしてあげてください」

そういうとクライアントさんは少し沈黙し
「素敵な考え方ですね。頂きます」とおっしゃいました。

たった一瓶のなんのきない柚茶ですが。

クライアントさんが帰られた後
自分が負い目に感じていた過去の身内とのことを思い出しました。

身内だからといって力になれえるかというと難しいことがあります。

でも出来る人ができるタイミングでやったら
それでいいや、そうやん!!

柚茶とクライアントさんのおかげで
思い出すことができました。