◆頼み上手な人のテクニック

「頼み上手な方」っていますよね。

なぜだかわからないけれどあの人に頼まれたら嫌な気がせず
オッケーをしてしまう‥というような。

一番の理由は人柄や相性、間柄でしょうが
それだけではなく、頼まれたらオッケーしてしまう
「頼み上手なテクニック」があります。

心理学者ランガーはコピーをとっている人たちに
コピー機を使わせてもらえるよう3通りの頼み方をする実験をしました。

さて下記の3種類の内
一番効果が高かったものはどれでしょう?

(A)「先にコピーをとらせてください」

(B)「急いでいるので、先にコピーをとらせてください」

(C)「コピーをとらなければいけないので、先にコピーさせてください」

さて、一番オッケーをもらった率が高かったのは‥。

(B) → 94%

「急いでいるので先にコピーをとらせて下さい」だったそうです。

ちなみに、(C) → 93%、(A) → 60% となりました。
(A)は要求のみを伝えていますが、(B)と(C)は理由を添えています。

この実験結果から人に頼む時は「理由を添える」と承諾されやすくなるということがわかり
「カチッサー効果」と言われます。

相手へお願いするテクニック。
理由を添えるのはやり方だけではなく相手への配慮の表れですね。

コピーなど単純な頼みごとに限らず、日常や仕事などの込み入った頼みごとでも
理由を添えるのと添えないのでは受け取る印象が随分違います。

また頼み上手をビジネスなど交渉する際に活かす方法もありますね。

例えば、物販販売などでよく見る例。
最初から、わざと大きい額(要求)を提示し
相手が難色を示したら、額(要求)を下げるというやり方があります。

家電量販店などでもよく見聞きします。
私は生まれも育ちも関西なのですが値切る、まけてもらう、など
小さい頃から身近で体験してきました。

値切る、まけてもらうのがフツーだったので
今でも、時と場合によっては「まけて~!」とお願いします(笑)

最初から、その額で買わないのは相手も承知なので
交渉自体コミュニケーションのようです。

この交渉術「ドア・イン・ザ・フェイス」と言います。

まず、大きな要求を提示し、相手に断られたら
それよりも小さな要求を出して最初の条件よりはマシ!という
心理を使うテクニックです。

はっきり言ってコレ「かけひき」です。

物販販売に限らず、商談などの交渉時に使われることが多いです。

「3日で仕上げてください!」と最初からお願いして
相手が難色を示したら「じゃぁ一週間でお願いします!」というやり方。

ズル賢いのか、知恵なのか微妙ですがビジネスは結果が伴う世界。
相手との交渉いかんで結果が左右されることを考えると一概にズルイとは言えません。

だからと言って最初から「かけひき」で一方的な関わりばかり、
テクニックばかりでは長い目でみると信頼されず
あの店は、あの人は信頼できないとなります。

同じ買うなら、根っこがお客さんのことを
思ってくれる人から買いたいと思うのも人の心理。

それは交渉術を使っていても人間性はにじみ出るものです。
多少無理な頼みごとでも「よし!あの人のためなら」と引き受けたくなります。

我が家は家電を買う時数ある量販店の中で
1つのお店の〇〇さんから買う!と決めています。
お客さんの立場にたって考えてくれる店員さんだとわかるからです。

本当の交渉上手、頼み上手な人というのは
テクニックを超えた、一方的ではない方だと思います。