◆母へ暴言を吐いた後、母から言われた言葉

幼い頃、親戚家族のイザゴザを聞いて
あんな風になりたくないと思っていました。

またドラマや映画で観る
親子やきょうだいの争い、確執は
どこか遠い世界の話だと思っていました。

そういう話に逢うたび
肉親なのに、近親者なのに
なぜそうなるのか?と思ってきました。

ですが今はわかります。

肉親だから、近親者だから
そうなるんですね。

カウンセリングで聴くお話。

また自身のストーリーとして
綺麗事や理想論では片付かない事例。

それらはあらゆる事柄や人間関係が
複雑に入りくんで熟成され現実になります。

私も含め、皆、自分を守りたい保身があり
それぞれの正義で生きています。

近しいもの同士だからこそ
ぶつかりあう生々しさ。

ある日、母と言いあいになりました。

私、けっこう言い、暴言もはきました。
冷静さに欠け感情的になりました。

互いにひとしきり言った時
母が「お茶、のもう」と言いました。

お茶をのんで、暫くして沈黙していると、
自分が吐いた鋭利な言葉が痛くなり、
そこだけは謝ろうと思いました。

「さっきは〇〇言うてごめん」と。

すると、母が小さな声で言いました。

「こうやって、ぶつかることが出来ている間は大丈夫や」
「もう感情が相手に無くなったら、その時はおしまいやと思う」

ハッとしました。
母の言う通りだと思いました。

感情のぶつけ合いができる関係であること
これは絡まった糸の原因であり、
またそれらを紐解く希望の一筋かもしれないと。

亡きおばあちゃんの編んだひざかけを前に
振り返った出来事でした。