認知行動療法について

認知行動療法は
精神疾患で苦しんでいる人の治療に役立つものですが
それ以外の人が日常の中でストレスとうまく付き合い
自分らしく生きていくために効果を得ることができる療法です。

こちらのページでは認知行動療法がどのうようなものか、
また基本的な流れや効果についてご紹介します。

認知行動療法とは?


同じ出来事にあっても
ストレスになる人とストレスにならない人がいます。

例えば、人とぶつかったとき「痛い」「謝ろう」という程度なら
特に大きなストレスにはなりませんね。

しかし、ぶつかった瞬間「この人はわざとぶつかってきた!」
「ちゃんと前を見てなかった私はダメな人間だ…」
など極端な思考に支配されると気分が沈みます。

このように出来事に対して瞬間的に浮かぶ考え(認知)を
『自動思考』といい
その考え方(認知)は人によって様々です。

下記に4つの例をあげています。
1つの出来事に対して、どのように考え(認知)
何を感じ行動しているか違いを見てみましょう。



いかがですか?
このように、出来事は同じでも
ものの捉え方によって味わう気持ちが変わり
その後の行動にも影響を及ぼします。

また、人には考え方の癖があり
似たような状況で同じ反応が起きやすいです。

認知行動療法では、下記の図に自分の反応や行動を当てはめて
セルフモニタリング(客観視)していきます。

【認知モデル】

認知行動療法では自分を苦しめる悪循環のパターンを知り
「考え方」や「行動」、「身体反応」を
見直すことで気分・感情をラクにし、
自分で自分のストレスを軽くする方法を身につけることができます。

認知行動療法のすすめ方


10~20回の面接で問題解決を目指します。
(週1回、もしくは10日に1回)

[1] まず悩みや問題の整理、現状把握をします。

[2] あなたの考え方や行動があなたの感情にどのように影響しているかを調べていきます。

[3] 1回1回のカウンセリングで取り組みたい題材を選び、心と体を軽くするための
  アプローチ(各種心理技法)を行っていきます。

  認知行動療法はカウンセラーと共に話し合いながら行い
  ビフォーアフターを検証しながら進めていきます。

  また、毎回宿題にも取り組んで頂き
  次のカウンセリングで振り返りと評価を行います。

[4] バランスのよい考え方や行動を目指し
  問題を解決する力をつけ、人間関係を改善する方法を練習していきます。


認知行動療法のメリット・デメリット


認知行動療法は効果がでるまでに少し時間がかかります。
自分自身で意識して宿題に取り組むことで効果が得られ、
その結果自分で自分を助ける力(セルフヘルプ)が高まります。

ストレスの原因となっている主な考え(認知)や行動に働きかけるため
うまく進んでいくと非常に高い効果を実感できます。

<メリット>
・ストレス過多や心身症状の再発予防に効果がある。
・薬物治療と同じような効果が得られる。
・治療後もセルフカウンセリングできる。

<デメリット>
・薬物治療と比べて即効性があるわけではない。
・人によって合う、合わないがある。


認知行動療法で使う技法


・認知再構成法 ― コラム表(3コラム、5コラム、7コラム)
・行動療法 ― 日常活動記録表 / 機能分析 /  行動実験シート / 強迫行為カウントシートなど
・暴露妨害法
・エクスポージャー
・利益、不利益法
・円グラフ法
・ポジティブデータログ
・問題解決技法
・マインドフルネス
・呼吸法  など

これらをクライアントにあわせてカスタマイズいたします。

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